2018.07.08
建築部の荒田です。 関東地方も梅雨が明けて、 いよいよ猛暑の季節…となりますが、 ブログをご覧の皆様くれぐれも体調管理にはご注意して 元気に猛暑を乗りきりましょう! さて、今回は前回の続きで、『木』の話を少しさせて下さい。 ブログをご覧の皆様は建築材料の『木』へのイメージは どの様なものをお持ちでしょうか? 『燃えやすい』・『腐りやすい』 『強度が鉄やコンクリートより弱い』・『寿命が短い』 などでしょうか… 今回は、その様な『木』へのイメージが少し変わる様な お話ができればと筆をにぎりました…(笑) それでは最初に『燃えやすい』を考えてみます。 木に火を付けたとします。 (もちろん割り箸の様な小さい断面はダメですよ~ すぐに燃え尽きますです…ハイ) 建築材料に使われるようなある程度の断面をもった材料です。 表面が燃え始めますが、表面が黒くなり始めます。 この物体は、俗に炭化層と呼ばれ (自分の勝手な解釈ですが、木自身が燃えないよう 事故防衛ではと…木だって生き物ですので…) 周りの空気から木内部への延焼を防ぐと言われております。 (ニュースなどでよく住宅火災現場の映像をみますが、 木が真っ黒ですよね。そうです、あれが炭化層なのです。 でも、形はしっかり残っています。(あれだけの温度なのに!) 鉄やコンクリートでは溶けたり、変形を起こます。 次に『腐りやすい』を見てみます。 これは結露の話にも繋がりますが、 腐るには『空気』『適度な湿度』『温度』の 3つの条件が揃わないとおこりません。 木でも腐りやすい部分とそうでもない部分がありますが、 外側(辺材)は腐りやすく、 内部(心材)は非常に腐りにくいという性質があります。 外側は成長の段階で活発に活動しているので、腐りやすいのです。 枝を切ると小口が腐りやすいのはその為です。 室内におきましても、濡れたらすぐに拭いていただくなどの メンテナンスをしていただければ 腐るなどの現象もそうそう起きないものです。 『強度が弱い』ではどうでしょうか? よく、鉄よりも木造の方が強いと セールストークのように言う方もいますが… 色々な書籍にも出ておりますが、強度の表現方法の違いがありますが、 ここでお話したいのが、数値だけの強度だけではなく、 『粘り強さ』にも目を向けていただければと思い 再び筆をとりました…笑…しつこくてすみません。 本題にもどり、粘り強さとはなにか?イメージになりますが、 鉄やコンクリートをある一点だけ押し続けたとします。 鉄やコンクリートは硬いです。 ものすごい力で押しつづけなければ曲げたり、 変形させることはできません… でもかまわず押し続けたとします。すると、 押す力がある域に達すると鉄やコンクリートは変形を始め、 最後は破壊してしまうでしょう。 木はある域までが鉄やコンクリートに比べ短い時間で到達しますが、 そこからの破壊するまでの時間が非常に長いのです… これが粘り強さになっています。 また、一度変形してももとの形に戻ろうとする現象(塑性)も 木材は十分あります。 最後に『寿命が短い』です。これは、前回の基礎の話でも触れましたが、 コンクリートに比べ、日本では木材の歴史は古く あの木造建築で有名は『法隆寺』は607年に建てられました。 (途中に一部火災はありましたが…) すでに千年以上崩れ落ちることなく、 雨にも負けず、風にも負けず…今もなお自立しています。 (もうここまでくると私も説明がつきませんが) 日本でのコンクリートの歴史は『木』よりも浅い事もありますが、 特に寺院などは木造で建てられており、 総合的に私は木材は非常に優秀な材料ではないか…とまでも思っています。 あとは、使い方やメンテナンスをしっかりやってあげれば 寿命も延びるでしょうし、木材の温かさや質感など 非常に私たち日本人に合う素材ではないでしょうか。 これからも、日本建築に木材は『永久に不滅です!』 話が長くなりました。最後まで目を通していただきありがとうございました。 次回は、『構造』の話をさせていただきたいと思います。
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