2021.07.04
いつもスタッフブログをご覧いただきありがとうございます。 マイタウン西武 建築部の指出です。 今回は弊社のベランダ工事などでも施工する「FRP防水工事」についてお話します。 まず「FRP」とはなにか? FRPとは、「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)」の略称です。 住宅の防水に使われるFRPは、ガラス繊維を混ぜたプラスチック樹脂で、白いシートのような外見をしています。 FRPは、バスタブや自転車のボディパーツ、ロケットなど、防水性に加えて「軽さと強度」が同時に求められる場面で使われています。 FRP防水とは、木やコンクリートで作られた床の上にFRPのシートを敷き、その上に樹脂を塗って硬化させる方法です。 硬化後は、プラスチックのような硬さの感じられる床面になります。 また、そのままでは紫外線に弱いため、保護のために「トップコート」という塗料が重ね塗りされます。 FRP防水は、住宅のベランダやバルコニー、陸屋根(屋上)のほか、ビルやマンションの屋上などにも幅広く使われています。 それでは、FRP防水の工程を見ていきましょう。 1.床面の清掃 2.プライマー(下塗り材)の塗布 3.シート状のFRPを敷く 4.ポリエステル樹脂で固める 5.「3」と「4」をもう一度繰り返す(重ね張り) 6.トップコート(表面保護の塗料)を塗る FRP防水の工事は、1~2日で済むのが特徴です。 これは防水工事の中でも最も短い工期となります。 続いてFRP防水のメリットについてお話します。 1.高い水密性(防水性) FRPはお風呂の浴槽や宇宙ロケットなど、建築物よりもはるかに防水性が求められるものにも使われている素材です。 水を通さない力においては他の防水工法よりも高い「水密性」をもっています。 2.非常に丈夫 FRP防水が施された床面は、固くて丈夫な仕上がりになるため、耐荷重性・耐摩擦性に優れています。そのため、人や車の往来が多い屋上駐車場にも使用される防水工法です。 3.もっとも軽量 FRP防水層は、1平米あたり4kg前後と他の防水層に比べて非常に軽量です。 そのため、築年数が経った住宅のベランダなど、重さに弱いであろう住宅にも向いています。 4.工期が短い FRP防水は、塗膜の乾燥を待つ工程が少ないのも特徴です。 唯一、乾燥待ちが必要なトップコートの樹脂も、数時間程度で乾燥します。 そのため、トップコートを何層か塗り重ねる工事であっても、わずか1~2日で防水工事が完了します。 そんなFRP防水も決して良いことばかりではありません。 続いてデメリットについてもお話ししましょう。 1.費用がやや高め FRPは防水工事の方法の中でも、施工費用・メンテナンス費用がやや高めです。 2.施工場所をやや選ぶ FRP防水は「木造」でさらに「広い面積」(10㎡以上目安)の床面には施工できません。 理由は、FRPの防水層は固くて伸縮性が少ないためです。 もしそのような場所をFRP防水で工事すると、熱や湿度による変形ですぐにヒビが入ってしまう可能性があります。 FRP防水の耐用年数は10年程と言われています。 施工から10年が経過したら、トップコートを塗りなおしたり、FRPシートを補修したりしなければなりません。 施工から10年経たないうちに表面にひび割れや傷が生じたとしても、雨漏りの原因となるため早めに補修するようにしましょう。 もちろん弊社でもFRP防水のメンテナンスは承っております。 お気軽にご相談ください。 早く梅雨が明けて、夏が来てほしいものですね。 くれぐれも熱中症対策、コロナ対策は万全に。 それではまた、お会いしましょう。
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